オメでたい頭でなにより│オメでたい頭でなにより 公式FC「オメオメCLUB」

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『オメでたい頭でなにより4』勝手に楽曲解説

2024.01.20

文:奥“ボウイ”昌史

「みんな~! (狂った)オメでたが帰ってきたよ~!!」と諸手を上げて歓迎したい、1年4カ月ぶりのオリジナルアルバムが完成した。ライブを愛し、ライブに愛され、ライブがないと死んじゃうオメでたが、遊び場を取り戻すとどうなるのかという真骨頂にして独壇場がこれ。赤飯、ぽにきんぐだむ、324のコライトを軸に、コロナ禍の挫折も迷いもしっかり血肉とし、3では居酒屋だったジャケットが4ではリングへ。自らの生きる舞台で、マスクを脱ぎ捨て、新しい時代にあなたとぶつかり合いたい。そんなオメでたの決意が込められた最幸の11曲を、気持ち高ぶるリリースに向けて今回も「勝手に楽曲解説」させていただきます。X(旧Twitter)で展開中のメンバーによる解説動画と併せてお楽しみあれ~!


01:鼓舞激励
アルバムの、そしてライブのオープニングSEにもふさわしい、改めましてのメンバー紹介、5人の道のり、そして現在地を躍動感のあるビートに乗せたノイジーなラップ、突き抜けるシンガロングでジャストに表現した、いきなりフル勃…もとい、これ以上なくアガる1曲目。前作のラフな始まりとは異なる「これぞオメでた!」な幕開けからも、バンドの素晴らしき現状を感じさせる。


02:着火繚乱ビンビンビンMusic Video
フックのあるリフに導かれ、タイトでデッドな祭ばやし上でマッシブな轟音が鳴り響く、爽快極まりない先行配信曲。求められるものに応え、らしさを研ぎ澄ました今作の核とも言える重要曲で、制作期間の初期に生まれ道しるべになったことで、バンドの原点回帰とブラッシュアップをけん引。赤飯の吐息もむやみになまめかしいアウトロ、湘南乃風における「睡蓮花」(2007年)のようなエロ×アンセム風情で思いっ切りサマーチューンなのに、真冬リリースのアルバムにお構いなく収録されている節操のなさも素敵。なお、MVにはかつて「スーパー銭湯〜オメの湯〜」(2017年)にも出演した清水あいりをはじめ、蒼山みこと、今井アンジェリカ、イ・リン、中山りおん、新田ゆう、美月千佳、宮瀬なこ、山吹りょうの総勢9人の人気グラビアアイドルや、熱波師の箸休めサトシ、ミッキー山下(アウフグースチーム「クロウゼン」)らも登場し話題に。



03:地下室の王
毎回だいたいアルバムの3曲目ぐらいに入ってる、シニカルでハードな324節全開のダンスミュージック。今回はボディタップを駆使したアコースティックギターのスラム奏法から突入。高速ヒップホップに急転直下の極悪デスボイス、かと思えばいきなりアイリッシュ、からのスラッシュメタル~ラウドロックで重低音が疾走する。ビリー・ミリガンのごとくころころ人格が変わる曲調をこうも見事にまとめられるのは、オメでたというミクスチャーロックの唯一無二の個性か。今やワチャ系バンドの一角を担う彼らのスタンスとチャレンジが、リリックと音で存分に味わえる。


04:チン♂アゲ⤴交渉中Music Video
題名から明らかに忍び寄る世相に乗じた下ネタの気配…。「着火繚乱ビンビンビン」とこれがリード曲っていったいどんなアルバムだよ(笑)。コロナ禍は収束すれど、長らく続く不況に円安。税金は上がれど賃金は上がらず、先行きの見えない日本社会。それはバンドマンとて同じこと。そんな一見シリアスなトピックを笑いに変えてブッ刺す、オメでたのファイティングスタイルには大共感! 「万じゃ足りないの 億までください 兆いきそうなの」のラインはさすが過ぎるけど何だろう、素直に褒めたくないこの感じ(笑)。K-POPばりのフィメールボイス、耳を疑う合いの手、ゴリゴリのスクリーム、明るく能天気なサビ…多彩なボーカルとめくるめく構成に心地良く翻弄されながら、きっちり時代も落とし込む。某朝の情報番組、令和のアレ、割と似てるレミ、どこかで見た街頭インタビューetc…ブラックユーモアと既視感がサンプリングされたMVも相変わらず秀逸。


05:ソイヤ!好漢度BOY
2024年、さまざまなテクノロジーが進化し音楽シーンも多様化。SNSにサブスク対応、誰もが頭を悩ませ離脱回避に奔走する中、この曲から聴こえてくるのは「ボイン!! ボイン!!」(笑)。おっぱいの話をしていたかと思えば、いつの間にか拉致られてフロアのド真ん中にいるような幻惑デイドリーム。すでにライブでも披露され、ブチ上げ必至のキメも満載、新旧ダイバーたちの心得に。漢=それは男の中の男。嗚呼、オメでたを前にすればコンプラも無効化する!?


06:推しのこメモリアル
周りの大人たちにも熱望された「推しごとメモリアル」(2018年)、「推しどこメモリアル」(2021年)に続く、約3年ぶりの「推しメモ」シリーズ最終章にして前日譚。赤飯が全編女声で挑んだ今曲は、言わば王道のアイドルソング。だが、聴き進めていくうちにじわじわ増大するこの違和感の正体は、過剰な情熱によりヲタの声がデカくなり過ぎて、アイドル本人の歌が全く入ってこないというライブ「あるある」。匠の繊細なMIXが無駄に実現させた、推しのMCやギターソロすらかき消すヲタのコールを知らず知らず耳で追ってしまう逆転現象に、ぜひとまどってほしい。オメでたの遊び心の極み。


07:Move your Heart
レッド・ツェッペリンの「移民の歌」(1970年)を彷彿とさせる、いきなりのヘヴィなリフの洪水からアドレナリンが止まらない、ハイボルテージなライブハウスソング。コロナ禍を経た今、改めて音楽と対峙する心境をつづった宣戦布告たる歌詞には、思わず胸が熱くなる。ぽにきんぐだむの力強さや男臭さを赤飯が加速させるアプローチはまさに化学反応と言え、灼熱の鋼を研磨して剣にするような関係性は、ソングライターでありボーカリストが2人いるオメでたならではの武器だ。「推しのこメモリアル」からの落差がエグい強烈なグルーヴとシャウトをお見舞いする、収録曲の中でも最強レベルの破壊力を備えた一曲。


08:ADVANCE TiME
ぽにきんぐだむが作詞、シンガーソングライター/作編曲家のnekoこと中西航介が作曲というおなじみのコンビが描いたのは、コロナ禍の葛藤や殺伐としたSNSにとらわれず、過去ではなく今に執着し、夢を追いかけ直すオメでたの姿だ。「Move your Heart」同様、ぽにきんぐだむのパーソナリティが色濃く出た詞に刻まれたハンパじゃない覚悟に、奮い立たされるリスナーも多いことだろう。ヒリヒリするような緊張感、すぐさまアニソンにも転化できるようなサイバーでハイパーなサウンドにまみれて、おフザけなしのクールなオメでたが真っ向勝負で味わえる。


09:The OGAnizer -来訪神-Music Video
前作の「HAKUNA MATATA」(2022年)に続いて、赤飯と共にコロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店)のメンバーとしても活動する世界的DJ、KSUKEと共作。2019年にオメでたが秋田県男鹿市にて開催されている『OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL』に初出演したのをきっかけに、年々秋田愛を深めていった赤飯はXで「男鹿で見聞きしたこと。感じたこと。男鹿でサンプリングした音。いろいろ練り込みました。何回もトライして失敗して を繰り返してやっとこさ」とポスト。同曲のレコーディングには男鹿ナマハゲ太鼓も参加し、昨年の男鹿フェスでの初披露ではコラボレーションも実施。伝統文化を取り込んだスピリチュアルですさまじいサウンドウォールに圧倒されたし!


10:今宵、又旅へ。
制作も終盤に差し掛かった昨秋に書き下ろされた一曲は、前作を締めくくり今やライブの定番曲にもなった「すばらしい時代」(2022年)の手応えを受けて、再び赤飯が弾き語りで着手。自ずと肩が揺れるレゲエのリズムを、324のブルージーなギターが彩るリラクシンなグッドミュージックに仕上がったが、なぜだかサビは関西弁。歌い方も何だかそっち方面。ライブでオーディエンス共々「ラララ~♪」と歌い上げるハッピーな光景が目に浮かぶ。まともな人間なら、「何でこの曲できれいにアルバムを終わらなかったんだろう…?」と思うに違いない良曲だ。


11:花魁ドリルスピン
タイトルからして極めて不安。イントロからしてやたらと不穏。ラストを飾るのは、腰帯を回され続けた花魁(おいらん)が地面を突き抜け、地球の裏側のブラジルまで行ってしまうナンバーって…間違いなく狂ってるよ(笑)。超絶ハードコアから転調してサンバになるって、どうしたらそんなの思い浮かぶんだよ。しかも、バンドの結成時にはすでにこの曲のアイデアがあったというエピソードに、オメでたのデフォルトの狂気を感じる。そんなアホの到達点たる曲だが、意外とメッセージ性も高い。これは踏み絵であり、リトマス試験紙かもしれない。最後にこの曲を聴いて、「オメでたはやっぱり信頼できる」と思ったあなたは、正真正銘のオメっ子=ファンです。最高!



オメでたい頭でなにより
2024年1月24日(水)発売
4th FULL ALBUM
「オメでたい頭でなにより4」

特設サイトは<コチラ>

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